エコデシック代表取締役CEO 後藤 秀樹 (ごとう ひでき)

効率的で収益性の高い植物工場で、次世代の農業を創る
【 株式会社エコデシック 】

今回は、高品質野菜の独自栽培技術で、植物工場の収益性向上に挑む株式会社エコデシックの後藤さんにお話を伺ってまいりました。

本日はよろしくお願いします!

まず初めに、現在取り組まれている事業についてお伺いしてもよろしいでしょうか?

よろしくお願いします。弊社は、Agrofactor(以下、アグロファクター)という独自の栽培技術によって植物工場の運営における収益性の問題を解決し、誰もが困難なく農業を続けられるような世界の実現を目指す会社です。

植物の成長において重要な役割を果たす「根」の部分に着目し、一般的な植物工場における水耕栽培と比べ、栽培期間が3/2~半分程になり、サイズが2倍以上に大きく育てることができます。

凄いですね!何か農薬などを使われているのでしょうか?

いいえ!無農薬、無洗浄です。
安心して食べられるため、子どもを持つ母親や健康志向の女性層に安全・安心かつ栄養価の高い野菜を提供しています。

(インタビュアー)健康志向が高まっているこの時代に、安全安心な野菜を効率的に生産できるのはありがたいことですね。

なぜこの事業に取り組まれようと思われたのですか?

私は現在の会社を立ち上げる以前から、誰もが参画できるスマート農業の開発や、再生可能エネルギーのエネルギー貯蔵技術を活用しながら二酸化炭素の削減を図っていくための技術開発に取り組んでいました。
その理由は、世界的な食糧不足が危惧される中で、環境の保全と食料の安定的な確保が最重要課題だと考えているためです。

一方で、25年ほど前にはLEDを使った植物工場の開発に携わっていたこともあり、植物工場が電力消費や設備投資の点から採算性の悪いビジネスだということも知っていました。
そんな時に、植物工場の栽培技術に取り組んでいる方と出会い、植物の成長における「根」の重要性を再認識させられました。

「根」の重要性ですか?

はい。根の管理方法を最適化し、そこに私の専門分野であるLED技術やIT、IoT技術を集約すれば、生産性が高く栽培コストの低い植物工場が運営可能ではないかと思いました。
実際に、世界的に見てもトップクラスの栽培速度が確認され、これであれば十分に採算性のある植物工場が運営できるということで創業を決意しました。

エコデシック工場内

このアグロファクターは、どのように提供していくのでしょうか?

「自社工場におけるアグロファクターを活用した植物の栽培および販売」と、「栽培システム自体を他社に販売することによる他社植物工場の開発」の2本軸で展開しています。

自社生産では、育成した野菜をスーパーなどの小売店に販売しています。
一方で、システム販売は農業法人や一般企業などをターゲットに想定しております。
例えば全国のスーパーなどへは、弊社から育成した野菜を卸すだけではなく、植物工場自体をスーパーに併設させることで、輸送コストをほとんど0にすることができ、また輸送に伴う二酸化炭素の放出を削減できます。
また栽培コストの安いアグロファクター植物工場であれば、都市部の家賃の高い場所に作っても採算が合うようになります。

(インタビュアー)そうすると「その場で作って、その場で売る」という地産地消を突き詰めたような形になりますね!

今後は、どのような展開を想定されているのでしょうか?

直近では、自社工場の設立を最大の目標として動いています。しっかりと自社工場で実績を出して、その成果をアピールしながら、どこかの会社と連携したフランチャイズ展開を目指していきたいと考えています。

その後は、フルーツや食用花あるいは薬草のような栽培種別の拡充と、全国各地での工場新設による雇用の促進に取り組んでいきたいと考えています。

また、更なるコスト削減と、再生可能エネルギーを活用した植物工場の確立も目指していきます。
太陽光パネルの下の空き空間を活用して野菜を育てる植物工場が完成すれば、より環境に配慮した野菜づくりが可能になると考えています。

太陽光を利用した植物工場ですか?

はい、アグロファクターは、太陽光利用型の植物工場にも適用できます。
もちろん、閉鎖型と太陽光利用型では得意とする野菜が異なります。
閉鎖型と太陽光利用型を組み合わせたハイブリッドな植物工場を作れば、アグロファクターで栽培可能な野菜の種別が大幅に拡充します。

さらに長期的には、砂漠化が著しい中国などの海外にも展開し、食糧不足の解決策としての本格的な世界展開を目指していきます。

最後に、後藤さんの実現したいビジョンを教えてください。

アグロファクターを活用した植物工場の展開によって効率的かつ高い収益性が実現されることで、誰もが困難なく農業を続けられるような世界を実現したいと考えています。
またそれにより、食糧自給率や農家の減少など、現代農業の抱える問題を少しでも解決できるよう取り組んでまいります。

(インタビュアー)アグロファクターを活用した植物工場が、日本や世界に広まり、農業課題の解決につながる世界がとても楽しみです。
後藤さん、本日は貴重なお時間をありがとうございました。

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COMPANY INFO

株式会社エコデシック

事業内容

農業サービス業。アグロファクター技術及び栽培販売。

所在地

千葉県柏市柏6-9-18柏パークビル2F

設立年月日

2016年12月

代表者

後藤秀樹

企業URL

https://www.ecodesic.jp/

従業員数

5名

上場区分

非上場

主要顧客

農業法人、農家

外資区分

非外資