Mission・Vision・Value

ミッション・ビジョン・バリューとは?それぞれの意味について解説。

企業や団体などの組織にとって大切な指針となる「ミッション・ビジョン・バリュー」。

Mission・Vision・Valueそれぞれの頭文字をとってMVVと呼ばれることもありますが、これは「経営学の父」とも呼ばれるオーストリアの経営学者ピーター・ファーディナンド・ドラッカーによって提唱された概念です。

この記事ではそれぞれの意味と重要性について、解説します。

※ミッション・ビジョン・バリューはその組織や文脈によって意味や定義が変化する概念であるため、この記事で解説する内容はあくまで一般的な意味合いとして捉えてください。

Mission

ミッション(Mission)とは?

ミッションは直訳すると「使命」、ビジネスの文脈では「その組織が成し遂げねばならないこと」を意味します。
組織の最大目的であり、社員たちにとっては道しるべとも言うべき大切なものです。
「船頭多くして船山登る」と言う成句にもある様に、ミッションが明確に定まっていないと組織はどの方向に舵を切れば良いか分からず、瓦解してしまうことになりかねません。
例えば、デジタル庁のミッションは「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。」となっています。

コンピュータリテラシー問題やITリテラシー問題、情報格差の拡大といった社会課題が叫ばれる中、誰でも安心してデジタルコンテンツにアクセスできる世の中を創り上げることを最大目的としています。

Vision

ビジョン(Vision)とは?

ビジョンは直訳すると「展望」、ビジネスの文脈では「ミッションが達成された際の理想の姿」を意味します。
ビジョンはミッション達成後の理想的な状態であり、ミッションが基本的に「to do(何をすべきか)」を示すのに対し、「to be(どうあるべきか)」を定義するものです。

デジタル庁のビジョンは「Government as a Service(サービスとしての政府)」と「Government as a Startup(スタートアップ組織としての政府)」の2つです。
サービス提供組織としての有用性・利便性、スタートアップ組織としての大胆さとスピード感を備えた政府でありたいという思いが伝わるビジョンとなっています。

Value

バリュー(Value)とは?

バリューは直訳すると「価値観」、ビジネスの文脈では「行動指針、価値基準」を意味します。
迷った際の判断や、常日頃何を大切にするかを定義するもので、組織員にとってバリューは、ミッション・ビジョン・バリューの中で最も重要なものになります。
その組織のバリューに共感することができなければ、その組織に所属している意義を見出せなくなってしまうことでしょう。

ミッション・ビジョンに同じく、デジタル庁のバリューを紹介すると、「この国に暮らす一人ひとりのために常に目的を問いあらゆる立場を超えて成果への挑戦を続けます」というものです。

公の機関らしい「公共性」を大事にしながらも、「あらゆる立場を超えて」という文言から「柔軟性」を感じ取ることができるバリューです。
デジタル庁はジェネラリストとしての官僚人材と、スペシャリストとしての民間人材の両方を内包する組織です。
こういった多様性の高い組織においてチームワークを発揮するために、共通の行動指針・価値基準であるバリューは極めて大事なものと言えるでしょう。

ミッション・ビジョン・バリューの補足

冒頭でご紹介した通り、ミッション・ビジョン・バリューは文脈や状況によって意味合いを変えていく概念です。

また、これらの概念はそれぞれ明確に区分できない場合もあります。
そして、組織によっては上記に当てはまらない使い方をされたり、これから先、新たな意味合いを持つ可能性も大いにあります。
例えば、世界的ハンバーガーチェーンであるマクドナルドはビジョンやバリューを「ミッションを達成するためにあるべき姿や持つべき共通の価値観」と定義しており、上述のミッション・ビジョン・バリューに当てはまりません。

(マクドナルドのミッションは「美味しさとFeel-GoodなMomentを、いつでもどこでも全ての人に」、ビジョンは「マクドナルドは世界中どの街でも、ベストな雇用主となる」、バリューは「マクドナルドは従業員、そしてその成長および貢献を価値あるものとして大切にする」です。)

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パーパス(Purpose)とは?

加えて、近年ではミッション・ビジョン・バリューに並ぶ概念として「パーパス」が使われることも多いです。

パーパスは直訳すると「目的」、ビジネスの文脈では「組織が存在する意義、自らがその組織に所属する意義」などの意味合いとなり、哲学のレゾンデートルとも繋がる部分を持つ言葉です。
総合コンサルティングファーム群、「BIG4」の一角であるPWC(プライスウォーターハウスクーパーズ)は「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決すること」としています。

今回は、MVVの概念の意味と重要性について解説いたしました。

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