
プロジェクトレポート
AIで笑顔溢れる社会を目指す
【Panda株式会社】
2022年07月07日
今回はPanda株式会社の代表取締役田貝さん(筑波大学4年生)にインタビューを行いました。
AI・AR・MRを活用した研究開発について教えていただきます。
よろしくお願いいたします。
まず、貴社の事業について、教えていただけますでしょうか。
よろしくお願いします。
当社は、「テクノロジーで笑顔を創る」を理念とした、AIに関する研究開発を行なっている会社です。
特に、AI・AR(拡張現実)を用いた顔認証の顧客管理システムと、MR(AIとARを組み合わせたもの)グラスの2つをメインプロダクトとしています。
社名のPandaには、可愛らしいパンダのように、老若男女問わず笑顔にできるような事業を行なっていきたいという思いを込めました。
創業の経緯は何だったのでしょう?
最新のテクノロジーで人々をサポートしたいという思いからです。
例えば、何か引き継ぎを行う際に、一般的なマニュアルでは教えにくい属人的な要素を円滑に伝えられるシステムを作れればと感じていました。
背景には、農家やローカルコミュニティの交流場所であった地元のスーパーが、受け継ぎが難しい事を理由に閉店してしまい、悔しい思いをしたという体験があります。
そして、私が香川高専に在籍していた頃、高専プログラミングコンテストでAIとARに関するシステムを発表し、東京大学の松尾先生に評価していただき、活動を拡大して社会に発信していこうということになりました。
その後、高専生とエンジニアのコミュニティで集まったメンバー達で2019年にPanda株式会社を設立した形になりますね。
AI・ARを用いた顔認証の顧客管理システムについて教えてください。
「顔認証の顧客管理システム」は店頭に来た顧客の顔認証をすることで、過去の購入履歴等を確認・管理し、接客のクオリティを上げるプロダクトです。
プライバシー保護については、データを暗号化して保管しており、AIを用いない限りは解読不可能な仕組みとなっています。
接客業市場にフォーカスし、ユーザーインターフェースの最適化を進めている段階です。

MR(AIとARを組み合わせたもの)グラスとは、何でしょうか?
「MRグラス」はマニュアルやインストラクションを、グラス越しに表示するプロダクトです。
データの保守管理も動画のマニュアルに比べて少なく、低コストに抑えられる部分が強みですね。
どちらも、AIを活用した製品という感じがしますね!
はい、どちらも「情報の脱属人化(誰でも情報にアクセスできること)」という社会課題にフォーカスしたプロダクトです。
例えば、業界によっては、いまだに紙ベースで顧客情報を管理し、脱属人化が図られていないところも多い現状があります。
顧客の来店時に、特定の店員さんが対応することを前提とした運用になってしまっており、これでは不在時や人事異動などが起こった場合には対応ができません。
属人的な体制では、一人にかかる負担が多くなりますし、ビジネスとして不安定になってしまうと感じます。
これらを用いれば、人を覚えるのが苦手でも問題なく顧客対応が可能となり、活躍の機会が多い社会になってくれるのでは無いかと思います。
開発において、工夫されている点など、ございますか?
顔認証顧客管理システムでは、接客業マーケットだけにフォーカスし、ユーザーインターフェースをできるだけ接客業向けに最適化して、差別化を図っています。
今後、ライセンス取得など、さらに競合優位性を高めていきたいです。
今後の事業展望などございますか?
今後は、販路拡大や営業に注力していきたいです。
例えば、技術をライセンス化した場合の販売先の人脈を手に入れたいです。
海外への販路に関しては、プライバシー保護などの障壁が高くない中国がチャンスだと考えています。
人材面においては、2つのメインプロダクトについてしっかりと理解し、知識運用ができ営業に長けている人を確保したいところです。
また、将来的には「情報の脱属人化」をテーマとした新たなジャンルの研究開発も手がけていく予定です。
スマホのカメラを植物にかざすと、専門家が取り入れたデータを基に「これは安全な植物」「これは危険な植物」のように判断してくれる仕組みを作る、といった様なことができれば面白いですね!
田貝さんが事業において大事にしている考え方は何でしょうか?。
テクノロジーは不可能を可能にできる、という考え方です。
技術は、人間と共存できる存在で、人をサポートし、アシストしてくれるものだと考えています。
技術により、人の仕事が無くなってしまうという考え方を変えていきたいです。
(インタビュアー)
本日のお話で、技術には人をサポートし、生活を豊かにしてくれる大きな可能性を感じました。
今後、Panda株式会社のソリューションによる「情報の脱属人化」によって、人の活躍の場がもっと広まることを楽しみにしています。
田貝さん、どうもありがとうございました。