
プロジェクトレポート
スキンケア市場に「着る化粧品」というアプローチを 【 デュセーレ株式会社 】
2022年06月22日
今回は、デュセーレ株式会社の代表取締役CEO川野 あゆ子さんに、インタビューを行いました。
貴社はどのような事業に取り組まれていますか?
弊社は保湿成分のビタミンEを含んだ糸を活用し、着ていればビタミンEが放出され、肌に保湿効果が生まれるコスメティックウェアブランド「OBLIQUE (オブリーク)」というアパレルブランドを展開しています。
「OBLIQUE」を立ち上げた経緯を教えてください。
ブランドは約2年前に立ち上げたのですが、元々、私は敏感肌で悩んでいました。
日々の生活の中でスキンケアにかかる時間は、とてもストレスを感じます。
実際、これまでの私の様に、スキンケアで悩まれている方はとても多くいらっしゃいます。
そんな忙しい方への新しいスキンケアの方法を探していたことがきっかけでした。
構想から製品開発〜発表までに約2年間を費やし、2021年4月に化粧品ウェアの”OBLIQUE(オブリーク)”をリリースしました。

「OBLIQUE」の特徴は何ですか?
OBLIQUEは、心に潤いを与える「着る化粧品」です。
OBLIQUEは、厳密には「衣類」ではなく「化粧品」という分類で登録されています。
これまでの衣服は、着用時の擦れにより、お肌に負担がかかってしまっていましたが、OBLIQUEは擦れるほどにビタミンEが放出されるため、逆にお肌へ潤いを与えます。
塗る、食べる、飲むという手段しかなかったスキンケア市場に「着る」という新たなアプローチでイノベーションを起こし、ストレスフリーな生活の実現に貢献していきたいと考えています!
「OBLIQUE」の持つ強みは何ですか?
市場には既に繊維に美容成分を吹き付ける商品がありますが、繊維自体にビタミンEを練り込む商品はまだ他にありません。
100回洗濯しても、ビタミンEの含有量は半分ほどにしかなりませんし、半分になっても十分に効果はあります。この技術はドイツの会社が持つ特許技術で、他社では真似できない技術となっています。

どの様な特許技術か教えてもらえますか?
新繊維「Cell Solution(セルソリューション)」を使っています。
この糸を使った生地は、肌に触れて摩擦が起こることでビタミンEを放出するんですよ。
着用していれば美容液成分が放出されている状態になるため、肌着が触れている部分は肌の角質層までの潤いを保ちます。
「Cell Solution」は、ユーカリの木を原料とした木製パルプの天然セルロースから製造されたもので、人体にも安心な素材です。
これまでどの様なPRや販売戦略をとってきましたか?
オフライン・オンラインの両面で販売してきました。
オフラインでは、六本木にある自社アトリエやイベントを開催しました。
オンラインでは購入型クラウドファンディング事前販売を実施し、現在はECサイトで販売しています。
今後は、六本木のアトリエ以外にも、都内を中心とした自社店舗やアトリエの拡大や卸チャネルも増やしていきます。

今後は、どの様なPRや販売戦略をとっていく予定でしょうか?
当社の購買層は、高品質で快適な衣類・生活用品への感度の高い消費者が多いため、今後は大手ブランドやセレクトショップなどに弊社製品を置いてもらうことを戦略の一つとして進めています。
また、インフルエンサーや芸能人とコラボレーションしたPR活動や、広報活動の強化によるテレビ・雑誌等への露出も図っていく予定です。
今後の事業展開について教えていただけますでしょうか?
直近では女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる商品として、マタニティー・キッズ市場等のファミリー層に向けて市場を拡大していきます。
今後、弊社の業績を拡大させるためには、この2つの領域が重要な軸となると思っています。
そのため、キッズのアパレル製品の取り扱いをしている商社さんや、生地単位で開発ができるアパレルメーカーさんと繋がっていきたいです。
更に、自社製品及び製品・生地の卸を積極的に展開し、大きな生産数を確保できるオペレーション機能を整えることで、マスマーケットに対して安定供給できる環境を整えることを目指していきます。

今後、海外展開は考えていますか?
2023年にはグローバルマーケットへの進出を検討しています。
アジア圏内では、韓国・台湾、中国、アメリカ(特にLA)に照準を絞り、製品卸をまず行い、徐々に自社の海外拠点の設置もしていきたいです。
まずは、自社ECサイトの多言語対応を進め、ネットを通じて海外展開を行う予定です。
(インタビュアー)
今回は、「着るスキンケア」について、デュセーレの川野 あゆ子さんにお話を聞きました。
お時間頂き、ありがとうございました。